クランクシャフトとピストンを繋ぐ棒状パーツ
シリンダー内で生じたエネルギー受けたピストンの直線運動をバイクが車輪で走れるための回る運動へ変換する大元となるパーツです。
具体的には、ピストンと回転運動をするクランクシャフトをコネクト(連結)してパワーを中継しています。
別名をコンロッド呼び、形状は上下にそれぞれピストンとクランクに接続する為のリンクを持つ1本の棒状をしています。
コンロッドの素材にはクローム鋼やチタン合金、炭素鋼等の丈夫なメタルが使用され、多くのケースで、特殊な鍛造製法によりさらに剛性が高められています。
そこまで素材や鍛造方法にこだわって剛く作られるのは、エンジン内のピストンの往復直線運動による強烈なパワーに耐えられる強度が求められる部品だからです。
エンジンの根幹をなすコンロッド・ピストン・クランクシャフトとの関係
コンロッドは、エンジン内で燃料を含む圧縮混合気体の爆発により生み出されたピストンの往復直線運動によるパワーをダイレクトにクランクに伝えて、回す動きに変える重要な役割を担います。
クランクはパワーを受けて回り、いわゆる回転数はクランクシャフトが1分間に回る回数を指します。
コンロッドは、基本的に1シリンダーにつき1つですが、クランクシャフトは基本的に1エンジンにつき1つです。
つまり4気筒エンジンであればコンロッドは4つ、クランクシャフトは1つということです。
これらから各種のパーツを経由した後、エンジンのパワーはタイヤの回転運動の形で動力を伝えます
過程を示すと、コンロッドはエンジンで生まれたパワーをピストン→コンロッド→クランクの順で相互作用してパワーを伝え、タイヤの回転運動の元となるエネルギーを伝える重要な部品といえます。
コンロッドは破損するのか
コンロッドは、ピストンの直線運動を受け止めるような極度に強い負荷に耐性を持つように設計され、強度を高めるため硬い素材を使い、鍛造までして製造されるため、一般的な走行で破損する恐れはありません。
しかし、エンジンに高い負荷を強いる乱暴な走行をしたり、長い期間点検しなかったりした場合には折れるリスクがあります。
コンロッドの破損はエンジンの正常な作動に悪影響であるだけでなく、異常な振動などで他のパーツにも破損の危険が及びます。
普通でない振動や異音がした場合は異常が疑われますので、無理に走行を続けず、JAFへ連絡したり、最寄りのバイクショップなどで修理点検を行わなくてはいけません。
コンロッドは、ピストンやクランクと合わせエンジンの根幹ともいえる重要な部品ですので、是非、システムや働きを理解しバイクのメカニカルな知識を深め、万が一のエンジントラブルにも対応できる心構えを持ちましょう。