交換する目安
ブレーキシューは、ドラムブレーキに使用されている車輪内部の部品を締め付けるための器具です。
バイクについているブレーキにはディスクブレーキとドラムブレーキの二種類がありますが、主に後輪のリアブレーキとして使用されているのがドラムブレーキです。
まずドラムブレーキのしくみを簡単に説明すると、ドラムブレーキは車輪の内径部分に「ドラム」という円筒形の部品がつけられています。
ドラムの内部にも筒状の部品があり、フットブレーキを踏み込むことで内径のドラムを締め付けるように動きます。
このとき締め付けをするときに接する部分がブレーキシューであり、何度も使用をしているうちに次第に摩耗をして小さくなってしまうのです。
摩耗が進むとブレーキの効きが悪くなってしまうので、急ブレーキをしたときの反応や制動距離が伸びていってしまいます。
ブレーキシューの交換の目安とされているのは概ね5万km~10万kmとされていますが、エンジンオイルのように明確に交換時期が決まっている部品というわけではありません。
というのも、ブレーキシューは使用頻度や使用状況によって摩耗の進行が大きく変化するからです。
そのため、交換時期を見定めるためには定期点検でどのくらいすり減っているかを確認する必要があります。
新品のブレーキシューは約5mmくらいの厚みをしていますが、摩耗が進むと1mmくらいにまで薄くなります。
そこまで薄くなると限界ギリギリとなるので、できるだけ早めに交換をすることが推奨されます。
しかしブレーキシューは外部から簡単に確認できる部品ではないので、定期点検のときに一緒に見てもらって判断をするのが望ましいです。
新車で購入をした場合には12ヶ月の法定点検のときにブレーキの分解整備をすることになっているため、そこでどのくらい減っているかを確認してから、その後経過を見ていくようにするというのがよい方法でしょう。
交換方法
ブレーキシューを交換するためにはドラム部分を分解しなければいけません。
ドラム内にはフットブレーキからの圧力を伝えるスプリングなど細かい部品が多く入っているので、不用意に分解をしてしまうと正しい位置に戻せなくなってしまいます。
誤った戻し方をしてしまうとブレーキが正しく効かなくなり非常に危険なので、慣れていない人は絶対に勝手に分解をしないでください。
なお、修理工場などに依頼をした場合、作業時間は約30分くらいで、調整まで含めてもだいたい1時間くらいで終わります。
交換するブレーキシューの実費はだいた4000円~1万円くらいで、そこに工賃として5000円程度が加算されます。
ただし料金や時間は修理工場によって異なりますし、車種によっては交換するパーツが高くなることもありますので、確認をしてから依頼しましょう。