ラチェットハンドルの使い方

整備士の工具

ラチェットハンドルの用途

バイクや自動車のメンテナンス用工具の一つにラチェットレンチ(ラチェットハンドル)があります。

まず「ラチェット(ratchet)」とは何かということから説明をしていくと、日本語に直訳をすると「爪車」という意味です。
工具として使用される場合には、「ラチェット」とは「ラチェットレンチ」のことを示すことが多く、内部に回転金具がついているハンドル工具をさします。

ラチェットの内部についている歯車は片方にのみ回転できるようになっており、そのためハンドルとして使用すると片一方側のみに回転させられる機能を持ちます。
内部の歯車の構造のことを「ラチェット」と言い、この構造があることで素早くボルトやナットを締められるのです。

普通のソケットレンチの場合、それぞれのサイズの径に合わせた穴がついているだけという構造をしているので、回転をさせるには自分で何度か差し替えながら回転させなくてはいけません。
ラチェットハンドルを使用することにより、狭い空間でも素早くボルトやナットを締めることができ、力を入れることなく簡単に作業をしていくことができます。

なおラチェットレンチにもいくつか種類があり、回転する方向をレバーで切り替えることができたり、ハンドルの裏と表で異なるサイズのソケットに適合することができたりします。
専門的な工具になると1本で4つの径のソケットに対応できるものもありますので、どういった場面で使うかによって分けていくとよいでしょう。

ちなみに同じ「ラチェットレンチ」でも、どういった場面で使用するかによって、最初から設置されている径が異なった製品があります。
代表的なものとしては「建設用」や「電設用」「水道本管用」です。

それと細かいことですが、内部のラチェット機構にどういった方式が採用されているかにより「ピン式」「爪式」「カム式」「ギア式」などの種類があります。
バイク用のラチェットレンチとして最も有名なのがKTC製で、他にもDAYTONAやウェビックガレージなど複数の業者から様々なサイズのものが販売されています。

使用時の注意点

自宅でバイクメンテナンスをよくするなら、ラチェットハンドルがあると一気に作業が楽になります。
例えばタイヤ交換一つにしても、ラチェットハンドルがあることであっという間にボルトが緩められるので、通常のレンチの半分以下の労力で済むでしょう。

ただし注意をしておきたいのが、きちんと設置をして使用をしないとボルトを曲げてしまう危険があるということです。
通常のレンチと異なり、ラチェットはテコの原理によって軽い力で強い締め付けをすることができます。

逆に曲がった状態で締め付けをしてしまうとすぐに曲がったまま締められるので、ボルトなどの重要な部品が変形してしまう危険があります。