フックレンチの使い方

本

ナットの種類

ナットの中にはステムナットとかスロッテッドナットと呼ばれるものがあります。
これはステアリングステムに使われるものであり、丸い外周の何箇所かに切り込みが入っている少し変わった形をしています。

このような少し変わった形のナットというのは普段使っているスパナやメガネレンチでは回すことができません。
アーチ状の先端にフックがついた専用のレンチを使わなければ回すことができないのです。

フックレンチを使いこなす

フックレンチというのはステムナットを回すことに適した工具です。
リングスパナとも言われるのですが、薄いプレートで円を書いた先端に突起を持っているレンチです。
ナットの切り欠きがあるタイプのものを閉める際に、この突起がうまく引っかかるようにできており、締め加減の調整もできるようになっています。

実際のバイク整備の現場では、このリングスパナを使っていない人も多くいます。
切り欠きの部分にマイナスドライバーやピンポンチやタガネといったものの中から自分の使いやすいものを選んで回すことで代用しています。

しかし、その作業の中でナットの締め加減を調整するというのは職人技に近いものがあり、なかなか簡単にはできません。
そこで、自分でメンテナンスをする際にこのようなタイプのナットを開閉することがあるようならリングスパナを用いた方が手間がかからず正確に開閉ができてオススメです。

リングスパナ使用時の注意点

リングスパナは便利なアイテムなように感じますが、決してすべてのものに対応できるわけではありません。
使える場面が限られているために、リングスパナというのは一般的なスパナのように細かなサイズ設定で製造がされていません。

直径の違うナットになれば、その分円弧の大きさも変わってくるためにフックレンチやレンチのサイズ調整が必要となるのです。
そこで、このような不便さを解消するためには普通のリングスパナではなく、モンキーレンチのようなウォームギア形式のリングスパナです。
このようなタイプを使用すれば、ピンと反対側の受け側の調整をすることができるので、直径35mmから75mmのナットを締めたり緩めたりすることができるようになります。

これがあれば、複数のサイズに対応できるので、購入するならばこのようなウォームギア形式のものを購入するのがオススメです。
より大きなものを使用する場合には1本サスでは不足しますが一般的な2本サスがあれば十分ほとんどのものに対応することができます。