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放熱性と耐薬品性がアップする「ガンコート」

ガンコートとは?

バイクを所有している方の中には、自身でフレーム塗装を実施する方もいるでしょう。
バイクのフレームを塗装すると、使い古されたボディに光沢感や滑らかさが取り戻されて車体が美しく見えて、立体感や質感を上げることができます。
また、塗装によって膜を張ることで雨風や日光からフレームを保護する役割もあります。

こうしたメリットがあるため、塗装はデザイン目的以外でも実施する人が多くなってきましたが、その中でも近年採用する人が多くなった塗料がガンコートです。
ガンコートとは元々アメリカ企業が銃火器用の塗料目的で開発したもので、銃火器が温度でゆがんだり、ゆがみが原因で照準がずれるのを防ぐための熱を発散する特性を持っています。
この特性をバイクの塗装にも応用することで、放熱性に優れたバイクにできるというわけです。

ガンコート塗布で得られる効果

バイクにガンコートを塗布することで得られる効果はさまざまにあります。
まずは、高い放熱性を得ることです。
バイクのエンジンは熱によって過度に高温になると、予期せぬ形でエンジンが停止したり失火が頻発するリスクに見舞われます。
このようなオーバーヒート状態ではエンジンの回転自体も不安定になるため、スピードも出なくなってしまいバイク本来の性能を発揮できません。
ガンコートを塗布することでエンジン本体やオイル、冷却水の温度上昇を抑制できるため、オーバーヒートを防ぐことができます。

また、ガンコートの塗膜強度は9Hと非常に硬く、飛び石になる傷やフィンの潰れ対策としても非常に効果的です。
バイクを長持ちさせたい人であれば、ガンコートを塗布するとよいでしょう。

そして耐腐食性、耐薬品性に優れているのもガンコートの大きな特徴です。
シンナー、ガソリンでも剥がれない強い耐久性も持っているため、塗料が剥離せずに長持ちします。
エンジン部分など、ガンコートの性質でしっかりと保護したい箇所に塗布しても、安心して長持ちさせることができるでしょう。

ガンコート塗布の方法

ガンコートは塗料を表面に吹き付けて常温で自然乾燥させた後に、約180度の温度で焼き付けてからさらに1時間ほど乾燥させます。
バイクの部品によっては大きなものになるため専門の業者に依頼することになりますが、塗装する部品によっては、自宅にあるような市販のオーブンでも実施可能です。
ただし自分で施工する場合には、ワット数などをしっかり設定したうえで安全に配慮して行いましょう。

ガンコートは1液塗料であるため、使い終わって余った塗料は容器に戻すことでまた利用できます。
調色も可能なため、自分好みの色に仕上げられることも大きな特徴です。
ガンコートを有効活用して、バイクを長持ちさせるオリジナルの塗装を行いましょう。