押す力と回す力の配分がポイント
自分のバイクを自分でメンテナンスするのは、多くのライダーの憧れです。
日頃からDIYに親しんでいる人であればメンテナンスに使用する工具の使い方にも慣れているはずですが、工具をほとんど使ったことのない人は、大まかなコツのようなものを覚えておかないと、上手なメンテナンスを行うことができません。
バイクはいくつものパーツを組み立てて出来ているため、要所要所にネジやボルトが使われています。
ネジやボルトは回し方を間違えてしまうと、ドライバーを当てる溝などが摩耗して使い物にならなくなってしまうので注意しましょう。
いわゆる「ネジ穴がなめてしまった」という表現は、ネジ穴が磨耗してしまい、締めることも緩めることもできなくなった状態のことで、プラスネジに特に起こりやすい現象です。
この状態は「ネジ山がつぶれた」とも表現され、特殊なネジ抜き専用工具などを使わないと外せなくなることがあります。
ネジ穴を潰さないようにするためには、力加減に注意することが重要です。
押す力を8割、回す力を2割にすることによって、ネジ穴がなめてしまうのを防ぐことが可能です。
工場から出荷された状態のバイクでは、ネジは機械工具を使ってきつく締められていますので、これを外そうと思って押す力が足りないのにやたらとネジを回そうとすると、ネジ山は簡単に潰れてしまいます。
ボルトとナットの取り扱いにも注意
ボルトとナットもバイクで多用されていますので、上手な扱いを覚えておきましょう。
ボルトを締める際にボルトの方を回そうとする人が多いのですが、こうするとねじれてしまう可能性があるので、ボルトは固定しておいて必ずナットの方を回す習慣をつけたいものです。
ナットを締める際には、まず手で締められるところまで締めて、最後に工具でトルクをかければきちっとした仕上がりになります。
メンテナンスをする場所は整理整頓が大切
メンテナンスを行っていて、ボルトやネジを外していくうちにどこかに転がってしまって、見つからずに大騒ぎすることがあります。
ですから、外したボルトとネジは一つの容器にまとめておくようにしたいものです。
いくつかのパーツのメンテナンスをする場合には、パーツごとにネジやボトルを区分してまとめておかないと、後からどのネジがどこに該当するのか分からなくなってしまうことがありますので要注意です。
ネジなどを外す前にスマホで写真を撮っておけば、どこにどんな形状のネジが使われていたかが一目瞭然です。
一旦外したパーツを取り付けようとして、どうしてもうまくいかない、ネジが2本余ってしまったなどという場合には、必ずバイクショップに持って行って見てもらうようにしましょう。
くれぐれも、そのまま乗ってはいけません。