エンジン内で点火を行うプラグには高い電圧が
スパークとはいわゆる火花のことで、プラグに流れた高圧の電流により発生したスパークで、シリンダー内で燃料と空気が圧縮された気体を爆発させ強力なパワーを発生させるのがエンジンの仕組みです。
スパークプラグに流れる電流は2~3万ボルトにも及ぶとされ、一般家庭用のコンセントの数百倍もの非常に高い電圧なのです。
プラグはこの高電圧の負荷を単発ではなくエンジンが動いている間中受けているのです。
シリンダー内で1分間に数千回も燃料を含む混合気体の連続爆発が起こり、そのたびに高い圧力を受けているので、継続的に、極度に強い負荷を受けている過酷な環境に置かれるパーツであると言えます。
スパークプラグに生じるトラブルと交換する頻度
電気的に小さな力持ちと言える小さなスパークプラグですが不具合が生じると、エンジンの始動悪化を招き、走行中にエンジントラブルに見舞われるリスクが高まります。
通常あまり意識することのないパーツですので、気づかないうちに不具合が生じ、劣化が進まないように定期的なメンテナンスを怠らないようにしましょう。
プラグのトラブルの発生を予知する初期的な症状に、電極が消耗してエンジンの始動が円滑に行えない、電極に炭(黒いカーボン)がたまり、エンジンの吹きあがりが鈍くなる、いうサインを示します。
気付かないうちに燃料のカスが過熱して温度が上がり過ぎ、プラグの電極が溶け機能を喪失するなどの不具合を起こすことさえあるので、注意が必要です。
このような事態の発生を防止するため、スパークプラグの寿命を考慮して一定の走行距離ごとに交換することが大切です。
愛車のプラグのタイプにより寿命に差はあるのですが、目安とされるのは3千~5千kmの走行ごとに交換することがベストです。
スパークプラグの交換方法と注意すべきポイント
スパークプラグをチェンジする事は、バイクの保守点検の中では難易度の低い作業に分類されます。
自分で交換を行う際は、次に示す交換手順と注意すべきポイントを守って確実に行います。
まず、プラグキャップ引き抜いてはずし、プラグの大きさに合う工具で左回りに回してプラグを緩めます。
次に、古くなったスパークプラグを外したら新しいプラグを差し込んで時計回りに手でプラグを締めていきます。
最後にプラグレンチを使って慎重にキッチリ締めこんで、プラグキャップを装着します。
通常のケースでは、スパークプラグの本数はエンジンの気筒の数だけ必要ですので、メンテナンスの際は全気筒のプラグのチェックを忘れずに。
プラグを気筒に差し込むときに斜めに入ったり、無理に締めたりすると、ネジ山にキズが入ったり、切れたりする原因になりますので、慎重に交換しましょう。
快適な走行をするためには、消耗パーツであるプラグのメンテナンスが必須で、交換方法も比較的簡単ですが、慎重に作業を進める必要がありますので、不安がある場合はバイクショップ等で専門家に依頼すると良いでしょう。