ドライブチェーンの構造と役割
普段あまり気にならないので、ドライブチェーンは輪状に繋がっていると思っている方も多いのですが、実はクサリ状に1個1個のリンク(コマ)が繋げられて1本の輪となっています。
さらに1個1個のリンク自体も単純ではなく、多くのパーツからできており、チェーンを構成するそれぞれのパーツが求められる役割を担うのです。
このリンクの主な構造を簡単に説明すると、耐久性を高めるためにブッシュに巻かれた軸となるピン、ピンを軸として回転するように設置されたローラーがあります。
このローラーが車輪に付けられた歯車状のスプロケットと接して車輪を回すのです。
さらに、それらを挟み込み、かつ連結するようにチェーンの両サイドのそれぞれ外側と内側にプレートが付けられチェーンとなるのです。
それぞれの部品は、走行中のショックや摩耗に対する耐久性を高めるため、一定の伸縮性や硬度を持ち、チェーンのタイプによっては専用潤滑油やゴム素材のシールリングを使用することでさらに耐摩耗性をアップする仕組みとされている製品もあります。
耐久性が異なる各ドライブチェーンのタイプ
大きく2つのタイプに分けるとシールタイプとノンシールタイプがあります。
1つ目のシールチェーンは、スプロケットと軸となるピンの摩擦を極力低減する目的で、ピンとブッシュの間に専用の潤滑油を塗って、漏れがないように、ゴム素材のシールリングで封印したものです。
シールリングの働きにより、潤滑油を長い期間保持することが可能で、効果の長期間持続が可能となるのです。
その持続効果だけでなく、路面等から受けるショックやチェーンが引っ張られる事への耐性を強化できるため、シールリングはいわば水道蛇口等に使われるパッキンのような働きをしているのです。
このシールリングの形状は2つのタイプがあり、2点で支持する円形をしたOリングと4点で支持するクロス状の Xリングがあります。
一方のノンシールチェーンは、チェーン自体に専用の潤滑油を塗布することで、耐摩耗性悩を強化したドライブチェーンです。
バイクの設計に当たり、ドライブチェーンはバイクの用途・特性あるいは排気量を勘案してベストなモノを選定されます。
チェーンを選ぶポイントとメンテナンスの重要性
市販されているドライブチェーンのサイズはどのメーカー・ブランドの製品も規格化されているため、愛車のサイズを間違えなければ大丈夫です。
間違えの無いようにサービスマニュアルで把握するようにしましょう。
また、ドライブチェーンは走行による劣化だけでなく経年による各種の消耗パーツの劣化も起こりますので、愛車の良い状態を保持して安全で快適なバイクライフをエンジョイするため、潤滑油を使ったり消耗パーツを定期的に点検したりすることが重要です。